関税戦の影響、ノートPC出荷成長率が1.4%に下方修正
調査機関TrendForceの最新調査によれば、アメリカが報復関税の適用を90日間延期したものの、ノートPCブランドにとっての一時的な安息の場となるだけで、市場全体は依然として政策と経済の不確実性に包まれている。
各ブランドは2024年末から在庫を前倒しして増加させ、2024年第四四半期の出荷年成長率は5.1%に、2025年第一四半期には7.2%に達する見込みである。しかし、全体の経済の疲弊と関税リスクを考慮し、2025年のノートPCブランドの年間出荷成長率は3.6%から1.4%に下方修正されると予測されている。
供給チェーンの状況を分析したTrendForceは、アメリカが東南アジアからのノートPCに0%の関税を維持し、中国からのノートPCには20%の輸入税を課していることで、ブランドはベトナムやタイなどからの出荷を加速させている。
アメリカ系ブランドは早くから東南アジアの生産能力を積極的に配置し、柔軟に調整ができるため、90日間の免税期間内に北米の流通在庫を迅速に補充することができている。一方で、非アメリカ系ブランドは東南アジアの供給チェーンがまだ完全に形成されていないため、短期的な調整余地は相対的に限られている。
TrendForceは、アメリカが世界最大のノートPC単一市場であり、全需要の約30%を占めていると述べている。短期的な関税の延期がブランドの出荷に有利であるものの、最終価格の引き上げの可能性が非常に高く、消費および商用の買い替え需要を抑制する恐れがある。
同時に、中国がアメリカに対して重要な部品に関税を追加すれば、全体の生産コストがさらに上昇し、ブランドはより慎重な生産および調達戦略を採用せざるを得なくなる。
現在、ブランドメーカーはアメリカと他国間の関税協議の進展を注意深く見守っている。もしアメリカが東南アジア地域に対する関税を10%から20%の範囲に保てれば、メーカーのコスト圧力を軽減し、市場の信頼を安定させる助けとなるだろう。しかし、協議が破綻し、政策リスクが拡大する場合、下半期におけるノートPCの販売価格の上昇と需要の低迷は避けられず、2025年のノートPCブランドの出荷年成長率は-%2.1まで逆転する可能性がある。
