TSMCとサムスン、2nm市場での受注競争が激化、歩留まりに差
韓国のメディアによると、TSMC（2330）とサムスン電子は下半期に業界最先端の2nmプロセスチップを生産するとされ、両社の受注競争がより激化する見込みです。しかし、サムスンの歩留まりはTSMCに及ばず、注文の獲得に課題を抱えています。
報道によると、TSMCはすでに2nmプロセスの注文を受け付けており、新竹の宝山と高雄で生産を行う予定です。これはTSMCが初めてGAA（環境囲繞ゲート）技術を用いた2nmチップ生産を行うもので、性能は10%から15%向上し、消費電力は25%から30%削減、トランジスタ密度も現在の3nmプロセスより15%増加する見込みです。
主な顧客にはApple、NVIDIA、AMD、Qualcomm、MediaTekなどが含まれており、これらが初期の2nm顧客となる予定です。MediaTekのCEO蔡力行は5月の台北国際コンピュータ展で、9月にデザインが確定する2nmプロセスのチップがあると予告しました。
一方、サムスンも下半期に2nmチップの生産を開始する目標を持っていますが、どの製品を生産するかは明示されておらず、一般的には自社のExynos 2600プロセッサを搭載した新型フラッグシップGalaxy S26に使用されると予想されています。
現在、TSMCの2nmプロセスの歩留まりは60%を超えており、安定量産の基準をクリアしました。対照的に、サムスンの歩留まりは約40%であり、TSMCには遠く及びません。サムスンは3nmプロセスでGAAアーキテクチャを初めて採用した企業ですが、初期の歩留まりの悪さに苦しんでおり、過去の経験を活かして2nmの歩留まりを向上させる計画です。
サムスンの課題は、テクノロジー企業からの注文を引き寄せて競争力を維持することであり、以前TSMCで働いていた韓美玲（Margaret Han）を採用し、ウェハファウンドリー部門を率いることになりました。
